「皮下 脂肪 と 内臓 脂肪 の 違い、ちゃんと理解してる?」そう聞かれて、すぐに答えられる人は意外と少ないかもしれません。実は、私たちのお腹周りにつく脂肪には、大きく分けて「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類があり、それぞれ性質や体に与える影響が大きく異なるのです。この違いを知ることは、健康的な体づくりにとって非常に重要です。
皮下脂肪と内臓脂肪、どこが違うの? ~ 場所と役割 ~
まず、一番分かりやすい違いはその「場所」です。皮下脂肪は、その名の通り、皮膚のすぐ下、つまり肌のすぐ内側に蓄えられる脂肪のこと。つまむと指に触れるプニプニとしたお肉がこれにあたります。一方、内臓脂肪は、お腹の奥、腸や胃などの内臓の周りに蓄えられる脂肪です。こちらは外から触ることはできません。
それぞれの「役割」も異なります。皮下脂肪は、体を冷えから守ったり、衝撃を和らげたりするクッションのような役割を持っています。また、エネルギーを蓄える貯蔵庫としての機能も担っています。 この皮下脂肪は、適度な量であれば私たちの生命維持に不可欠な存在です。
内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて活動的で、エネルギー源として利用されやすいという特徴があります。しかし、過剰に蓄積されると、さまざまな病気のリスクを高めることが分かっています。内臓脂肪の蓄積は、見た目以上に体に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
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皮下脂肪
- 場所:皮膚のすぐ下
- 役割:体温維持、衝撃吸収、エネルギー貯蔵
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内臓脂肪
- 場所:内臓の周り
- 役割:エネルギー源として利用されやすい
内臓脂肪が危険な理由 ~ メタボリックシンドロームとの関係 ~
内臓脂肪が特に注目されるのは、その「危険性」にあります。内臓脂肪は、皮下脂肪に比べてホルモンを分泌する働きが活発です。このホルモンが、血糖値や血圧、コレステロール値などに悪影響を与え、生活習慣病の原因となることがあるのです。
特に、内臓脂肪が過剰になると、「メタボリックシンドローム」という状態になりやすくなります。これは、内臓脂肪の蓄積に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうち、2つ以上を併せ持った状態のこと。メタボリックシンドロームは、将来的に心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気につながるリスクが非常に高いため、注意が必要です。
内臓脂肪は、体型が「リンゴ型」になる原因とも言われています。つまり、お腹周りだけがポッコリと突き出ているような体型です。これは、皮下脂肪がつきやすい「洋ナシ型」とは対照的です。見た目の変化だけでなく、体の内側で危険な状態が進んでいるサインと捉えましょう。
内臓脂肪の危険性をまとめた表をご覧ください。
| 危険因子 | 関連する病気 |
|---|---|
| 内臓脂肪の蓄積 | 高血圧、高血糖、脂質異常症 |
| 上記3つと内臓脂肪の蓄積 | メタボリックシンドローム |
| メタボリックシンドローム | 心筋梗塞、脳卒中、糖尿病 |
皮下脂肪の落とし方 ~ 焦らず、コツコツと ~
皮下脂肪は、一度つくと落としにくいと感じる人もいるかもしれません。しかし、焦る必要はありません。皮下脂肪を減らすには、日々の地道な努力が大切です。
まずは、食事の見直しです。カロリーの摂りすぎは脂肪として蓄えられてしまいます。特に、甘い飲み物やお菓子、揚げ物などは控えめにしましょう。バランスの取れた食事を心がけることが、皮下脂肪を減らすための第一歩です。
次に、適度な運動を取り入れましょう。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、脂肪を燃焼させるのに効果的です。週に数回、30分程度から始めてみるのがおすすめです。無理のない範囲で、楽しみながら続けられる運動を見つけることが大切です。
皮下脂肪を減らすためのポイントをまとめました。
- 食事:カロリーオーバーに注意し、バランスの良い食事を心がける。
- 運動:有酸素運動を中心に、週に数回継続する。
- 睡眠:十分な睡眠をとることで、体の代謝を整える。
内臓脂肪を減らす方法 ~ 食事と運動のダブルパンチ! ~
内臓脂肪は、比較的落としやすい脂肪だと言われています。これは、内臓脂肪がエネルギーとして使われやすい性質を持っているからです。しかし、そのためには正しいアプローチが必要です。
食事面では、特に糖質や脂質の摂りすぎに注意が必要です。ごはんやパン、麺類などの主食を適量にし、野菜をたくさん食べるようにしましょう。食物繊維が豊富な野菜は、血糖値の急激な上昇を抑え、満腹感を得やすいため、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。
運動は、有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングも組み合わせるのが効果的です。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすい体になります。スクワットや腕立て伏せなど、自宅でできる簡単なトレーニングから始めてみましょう。
内臓脂肪を効果的に減らすための具体的な方法です。
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食事
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- 糖質・脂質の摂りすぎに注意
- 食物繊維を多く含む野菜を積極的に摂取
- タンパク質をしっかり摂る
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運動
:
- 有酸素運動(ウォーキング、ジョギングなど)
- 筋力トレーニング(スクワット、腕立て伏せなど)
皮下脂肪と内臓脂肪の測り方 ~ あなたの体はどっちが多い? ~
では、自分の体には皮下脂肪と内臓脂肪のどちらが多いのか、どうすれば分かるのでしょうか。いくつかの方法があります。
まず、最も手軽なのは「腹囲」を測ることです。男性は85cm以上、女性は90cm以上の場合、内臓脂肪型肥満の可能性が高いとされています。これは、内臓脂肪が溜まるとお腹が突き出やすいためです。
より正確に測るためには、医療機関で「体組成計」や「CTスキャン」を利用する方法があります。体組成計は、体の電気抵抗を利用して筋肉量や体脂肪率を測定し、内臓脂肪レベルも表示してくれるものもあります。CTスキャンは、お腹の断層写真を撮ることで、内臓脂肪の面積を正確に測定できます。
自宅でできる測定方法としては、以下のものがあります。
- 腹囲を測る:へその位置で、息を吐ききった状態で測る。
- ウエストとヒップの比率(WHR)を計算する:ウエスト ÷ ヒップ
皮下脂肪と内臓脂肪、それぞれの健康への影響
皮下脂肪と内臓脂肪は、それぞれ健康に異なる影響を与えます。皮下脂肪は、先述の通り、体を保護する役割があるため、適度な量であれば健康への悪影響は少ないとされています。
しかし、皮下脂肪も過剰になると、関節への負担が増えたり、見た目のコンプレックスにつながったりすることがあります。また、一部の研究では、皮下脂肪の蓄積もホルモンバランスに影響を与える可能性が示唆されています。
一方、内臓脂肪は、炎症を引き起こす物質を分泌するため、全身の血管にダメージを与え、動脈硬化を促進するリスクがあります。これが、心筋梗塞や脳卒中といった、命に関わる病気の原因となるのです。
健康への影響をまとめると以下のようになります。
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皮下脂肪
:
- 適度:体を保護する
- 過剰:関節への負担、美容面での影響
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内臓脂肪
:
- 過剰:血管へのダメージ、動脈硬化の促進、生活習慣病のリスク上昇
皮下脂肪と内臓脂肪、どちらを優先して減らすべき?
「皮下脂肪と内臓脂肪、どちらを先に減らすべき?」という疑問を持つ人もいるでしょう。一般的には、健康へのリスクが高い「内臓脂肪」を優先的に減らすことが推奨されます。
内臓脂肪は、比較的短期間で減らすことが可能であり、減らすことで生活習慣病のリスクを低減できます。食事や運動の改善によって、数週間から数ヶ月で効果を実感できることもあります。
ただし、皮下脂肪も健康や美容の観点から、適正な量に保つことは大切です。内臓脂肪を減らすための健康的な生活習慣は、皮下脂肪の減少にもつながります。ですので、まずは内臓脂肪をターゲットにしつつ、全体的な体脂肪を減らすことを目指すのが良いでしょう。
優先順位を考えると、以下のようになります。
- 内臓脂肪の減少 :健康リスクの低減が最優先。
- 皮下脂肪の適正化 :健康維持と美容のため。
まとめ:皮下脂肪と内臓脂肪の違いを理解して、健康な体を目指そう!
皮下脂肪と内臓脂肪の違いについて、ご理解いただけたでしょうか。それぞれ体のどこにあり、どのような役割を持ち、どのような影響を与えるのかを知ることで、より効果的に体づくりに取り組むことができます。健康的な生活習慣を心がけ、皮下脂肪と内臓脂肪のバランスを整え、健やかな毎日を送りましょう。