「ラガービールと生ビールの違いって何?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、この二つは全く異なるものを指しているのではなく、それぞれビールの「種類」と「製法」を表しているんです。今回は、このラガービールと生ビールの違いを分かりやすく解説し、ビールをもっと美味しく楽しめる豆知識をお届けします。

ビールの「種類」としてのラガービール

まず、ラガービールとは、ビールの「種類」の一つです。具体的には、低温でじっくりと発酵させる「下面発酵(ラガー)」という製法で作られたビールの総称なんですよ。この製法で作られたビールは、すっきりとした味わいとクリアな色合いが特徴で、世界中で最もポピュラーなビールのスタイルと言えるでしょう。

ラガービールには、さらに細かく分類があります。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

  • ピルスナー: ホップの苦味と香りが特徴の淡色ラガー
  • メルツェン: 芳醇な麦芽の香りとコクが楽しめる濃色ラガー
  • ボック: アルコール度数が高めで、濃厚な味わいが特徴

ラガービールという言葉は、ビールの「スタイル」を指していることを理解することが、ラガービールと生ビールの違いを理解する上で非常に重要です。

ビールの「状態」としての生ビール

一方、生ビールとは、ビールの「状態」を表す言葉です。これは、熱処理(加熱殺菌)をしていないビール全般を指します。熱処理をしていないため、酵母が活きたままの状態で、ビールの持つ風味や香りがより豊かに保たれているのが特徴です。

生ビールについて、さらに詳しく見ていきましょう。

  1. 熱処理をしていないことによる風味の豊かさ
  2. 「生」という言葉が持つ新鮮さやフレッシュさのイメージ
  3. 賞味期限が比較的短い傾向があること

このように、生ビールは「熱処理の有無」で区別されるビールの状態なのです。

ラガービールと生ビール、それぞれの関係性

では、ラガービールと生ビールは、どのように関係しているのでしょうか?実は、これらは互いに排他的な関係ではなく、組み合わさることもあるんです。

例えば、私たちが普段「生ビール」として飲むビールの多くは、ラガービールの一種であるピルスナーや、それに近いスタイルのビールです。これは、ラガービールのすっきりとした味わいが、熱処理をしない生ビールのフレッシュな風味と相性が良いからです。

しかし、ラガービールが全て生ビールというわけではありません。熱処理されたラガービールも存在しますし、逆に、エールビール(上面発酵で作られるビール)も生ビールとして提供されることがあります。

ここで、理解を深めるための表を見てみましょう。

ラガービール エールビール
発酵温度 低温(下面発酵) 高温(上面発酵)
味わいの特徴 すっきり、クリア フルーティー、コクがある
生ビールの有無 あり(一般的) あり

「生」が付くビールの種類

「生」という言葉が付くビールは、生ビール以外にもいくつか種類があります。それぞれの意味を知っておくと、よりビール選びが楽しくなりますよ。

  • 樽生(たるなま) : 飲食店で提供される、樽に詰められた状態の生ビール。
  • 瓶生(びんなま) : 瓶詰めされた生ビール。熱処理をせずに瓶詰めされているもの。
  • 缶チューハイの「生」 : こちらはビールではなく、炭酸ガスを注入することで「生」のような爽快感を表現したもので、ビールとは関係ありません。

このように、「生」の定義は、ビールの種類や提供形態によって微妙に異なります。

ラガービールとエールビールの違い

ラガービールとエールビールは、ビールの二大系統とも言える存在です。それぞれの特徴を理解することで、ビールの世界がさらに広がります。

ラガービールは、先ほども触れたように低温でじっくり発酵させる「下面発酵」。酵母はビールの底に沈む性質があります。そのため、雑味が出にくく、クリアでクリーンな味わいになりやすいのが特徴です。

一方、エールビールは、高温で発酵させる「上面発酵」。酵母はビールの表面に集まります。この発酵方法によって、フルーティーな香りや、複雑でコクのある味わいが生まれやすい傾向があります。

エールビールには、さらに多様なスタイルがあります。

  1. IPA (India Pale Ale): ホップの苦味と香りが際立つ
  2. ペールエール: バランスの取れた味わい
  3. スタウト: 濃厚でロースト香が特徴

ビールのラベルに「LAGER」や「ALE」と書かれているのを見かけたら、ぜひこの違いを意識して選んでみてください。

ビールの「加熱処理」とは?

生ビールと対比されるのが「熱処理」されたビールです。この加熱処理について、もう少し詳しく見ていきましょう。

加熱処理(パスチャライゼーション)とは、ビールを一定の温度で短時間加熱し、ビール中の雑菌や酵母の活動を抑える製法です。これにより、ビールの品質が安定し、保存期間が長くなるというメリットがあります。

  • メリット : 保存性が高まる、品質が安定する
  • デメリット : 熱によって風味や香りが多少失われる可能性がある

そのため、熱処理されたビールは、一般的に「ビール」として販売されており、私たちが「生ビール」と呼ぶものは、この熱処理を施していないものが多いのです。

まとめ:ラガービールと生ビールの違いを掴もう!

いかがでしたか?ラガービールと生ビールの違いは、それぞれ「ビールの種類」と「ビールの状態」を表していることがお分かりいただけたかと思います。ラガービールは下面発酵で作られるビールのスタイルであり、生ビールは熱処理をしないフレッシュな状態のビールを指します。そして、私たちがよく目にする「生ビール」の多くは、ラガービールの一種であることが多いのです。

この知識があれば、お店でビールを選ぶときも、より自分の好みに合った一杯を見つけやすくなるはずです。ぜひ、次回のビールタイムに役立ててみてくださいね!

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