空から降ってくる冷たい粒、それは「あられ」?それとも「雹(ひょう)」?実は、この二つ、見た目は似ていても、 あられ と 雹 の 違い ははっきりしているんです。今回は、この空からの宝石たちの違いについて、わかりやすく解説していきます。

粒の大きさで決まる!あられと雹の分かれ目

まず、一番わかりやすい あられ と 雹 の 違い は、その「大きさ」にあります。気象庁の定義では、直径5mm未満の氷の粒を「あられ」、5mm以上のものを「雹」と呼んでいます。つまり、同じような現象で降っていても、大きさが基準になるんですね。まるで、小さい石と大きな石を区別するような感覚かもしれません。

この大きさの違いは、雲の中で氷の粒がどのように成長したかによって決まります。あられは、比較的穏やかな雲の中で、氷の粒が少しずつ成長してできることが多いです。一方、雹は、発達した積乱雲の中で、強い上昇気流によって何度も氷の粒が巻き上げられ、水滴が付着して凍るというプロセスを繰り返すことで、大きくなっていくのです。

  • あられ :直径5mm未満
  • :直径5mm以上

この大きさの基準を知っておくだけで、天気予報で「あられ」と「雹」のどちらが降るか、ある程度の見当がつけられるようになります。

雲の表情でわかる!あられと雹の成因

では、具体的にどのような雲から、あられと雹は降ってくるのでしょうか?

あられは、主に「層積雲(そうせきうん)」や「乱層雲(らんそううん)」といった、比較的水平に広がる雲から降ってきます。これらの雲は、空気の持ち上げがそれほど強くないため、雲粒がゆっくりと成長し、直径5mm未満のあられになりやすいのです。

一方、雹は、あの雷雲としても知られる「積乱雲(せきらんうん)」から降ってきます。積乱雲は、空気の上昇気流が非常に強く、雲の中がダイナミックに動いています。この強い上昇気流が、氷の粒を何度も上空に運び上げ、水滴を凍らせることを繰り返すことで、雹が巨大化していくのです。

  1. 穏やかな雲 → あられ
  2. 発達した積乱雲 → 雹

空の雲の形を観察することで、これから何が降ってくるのか、少しだけ予測できるようになるかもしれませんね。

氷の「顔」を見ればわかる!あられと雹の見た目の違い

大きさ以外にも、 あられ と 雹 の 違い は見た目にも表れます。あられは、透明感があって、角ばった形をしていることが多いです。これは、雲の中で凍った水滴が、あまり大きく成長せずにそのまま落下してくるためです。

対して、雹は、大きくて不規則な形をしているのが特徴です。中には、層状になっていたり、表面がデコボコしていたりするものもあります。これは、先ほど説明したように、積乱雲の中で何度も凍結と融解を繰り返しながら成長した証拠と言えます。まるで、雲の中での激しい「格闘」の跡が見えるかのようです。

あられ
透明感がある 不透明な部分がある
角ばった形 不規則な形、層状のものも

これらの見た目の特徴を覚えておくと、降ってきた氷の粒がどちらなのか、より正確に判断できるようになります。

降る場所も影響?あられと雹の発生しやすい場所

あられ と 雹 の 違い は、降ってくる場所にも関係があります。あられは、比較的広い範囲で、穏やかな天候の時に降ることが多いです。例えば、冬の曇り空から、パラパラと降ってくる雪とは少し違う粒が、あられだったりします。

一方、雹は、積乱雲が発達しやすい、夏場の午後に発生することが多いです。特に、雷雨や激しい雨を伴う場合に、雹が降ってくる可能性が高まります。これは、積乱雲が発達するためには、暖かい湿った空気と、上空の冷たい空気の温度差が必要だからです。そのため、夏の入道雲(積乱雲)が空に現れたら、注意が必要です。

  • あられ:穏やかな天候、広い範囲
  • 雹:夏場の午後の雷雨、積乱雲

場所や時間帯によって、空の様子がどう変わるかを知ることで、自然現象への理解が深まりますね。

危険度も違う!あられと雹への注意点

あられ と 雹 の 違い は、その危険度にも影響します。あられは、小さい粒なので、多少降ってきても大きな被害をもたらすことは少ないです。しかし、大量に降ったり、風が強かったりすると、視界が悪くなることもあります。

それに対して、雹は、大きくて重いものが、かなりのスピードで落下してきます。そのため、車に傷をつけたり、窓ガラスを割ったり、農作物に大きな被害を与えたりすることがあります。最悪の場合、人に当たると怪我をする可能性もあるため、雹が降っているときは、頑丈な建物の中に避難することが大切です。

  1. あられ:被害は少ないが、視界不良に注意
  2. 雹:車や建物、農作物に被害、人に怪我の可能性あり

空からの贈り物だからといって、油断は禁物。特に雹には、十分な注意が必要です。

まとめ:空の粒々、見分けられるかな?

さて、 あられ と 雹 の 違い について、色々と見てきました。簡単にまとめると、

  • 大きさ :5mm未満があられ、5mm以上が雹
  • :穏やかな雲からがあられ、発達した積乱雲からが雹
  • 見た目 :あられは透明感のある角ばった粒、雹は不規則で層状のものも
  • 発生場所・時間 :あられは比較的いつでも、雹は夏場の雷雨
  • 危険度 :あられは軽微、雹は大きいため注意が必要

これで、空から降ってくる冷たい粒々が、あられなのか雹なのか、見分けられるようになったのではないでしょうか。次に空を見上げた時、ぜひこの知識を活かして、空からの宝石たちを観察してみてくださいね。

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