「痛風」と「リウマチ」、どちらも関節に痛みが出る病気として知られていますが、その原因や症状、治療法には大きな違いがあります。 痛風 と リウマチ の 違い を正しく理解すること は、それぞれの病気に合わせた適切なケアをする上で非常に重要です。

痛風とリウマチ、何が違うの?基本を知ろう!

まず、痛風は「生活習慣病」の一種と言えます。体の中で「尿酸」という物質が増えすぎて、それが関節に溜まってしまうことで炎症が起きて、激しい痛みを引き起こすのが特徴です。特に足の親指の付け根に起こりやすいのですが、他の関節にも現れることがあります。

一方、リウマチ、正式には「関節リウマチ」は、「自己免疫疾患」と呼ばれる病気です。これは、体の免疫システムが自分自身の関節を間違って攻撃してしまうことで、関節に炎症が起こる病気です。男女ともに起こりえますが、女性に多い傾向があります。

痛風とリウマチの主な違いをまとめると以下のようになります。

  • 原因: 痛風は尿酸の増加、リウマチは自己免疫の異常
  • 好発部位: 痛風は足の親指の付け根など、リウマチは手や足の指の関節など
  • 発症しやすい人: 痛風は男性や偏った食生活の人、リウマチは女性に多い傾向

痛風のメカニズム:尿酸の暴走!?

痛風の最大の原因は「高尿酸血症」です。これは、体内で作られる尿酸が多すぎるか、体からうまく排出されないために、血液中の尿酸値が高くなる状態です。この過剰な尿酸が結晶化し、「尿酸塩結晶」となって関節に溜まります。

この尿酸塩結晶は、関節の周りの組織を刺激し、急激な炎症を引き起こします。これが「痛風発作」と呼ばれる、あの耐え難い痛みの正体です。痛風発作は、以下のような特徴があります。

  1. 突然、夜中に起こることが多い
  2. 数時間でピークを迎え、数日間続く
  3. 赤く腫れ上がり、触るだけでも激痛

痛風と診断されたら、まずは食事や生活習慣の見直しが大切です。プリン体を多く含む食品(レバー、魚卵、ビールなど)を控えたり、水分をしっかり摂って尿酸を排出しやすくしたりすることが推奨されます。

注意したい食品(プリン体が多いもの) 控えたい飲み物
レバー、あん肝、白子 ビール、日本酒
エビ、イワシ、カツオ

リウマチのメカニズム:自分を攻撃する免疫の誤作動

関節リウマチは、免疫のシステムが誤って自分の体の組織(関節の滑膜など)を攻撃してしまうことから始まります。この攻撃によって、関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、熱感が生じます。この炎症が長く続くと、関節の cartilage(軟骨)や bone(骨)が damage(損傷)され、変形してしまうこともあるのです。

リウマチの症状は、痛風とは異なり、以下のような特徴があります。

  • 朝起きた時に、関節がこわばって動かしにくい(朝のこわばり)
  • 左右対称の関節(両方の指、両方の手首など)に症状が出やすい
  • 全身の倦怠感や微熱を伴うこともある

関節リウマチの治療は、進行を抑えることが大切です。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要視されています。治療には、炎症を抑える薬や、免疫の働きを調整する薬などが使われます。

関節リウマチの診断では、問診や診察に加え、以下のような検査が行われることがあります。

  1. 血液検査(リウマチ因子、抗CCP抗体などの確認)
  2. レントゲン検査(関節の損傷具合の確認)
  3. 関節エコー検査(炎症の程度を詳しく見る)

痛風とリウマチの症状の出方の違い

痛風の症状は、とにかく「突然の激痛」が特徴です。まるでナイフで刺されるような痛みと表現されることもあり、歩くことさえ困難になることがあります。発作は通常、夜中に起こり、足の親指の付け根が赤く腫れて熱を持ちます。この激痛は数日から1週間程度で治まることが多いですが、繰り返すことで慢性化することもあります。

一方、リウマチの症状は、もっとゆっくりと進行することが多いです。朝起きた時の関節のこわばりは、リウマチの代表的な症状で、しばらく動かしているうちに和らいできます。痛風のような突然の激痛ではなく、じわじわとした痛みや腫れが、手や足の指、手首、足首などの小さな関節から現れることが多いです。左右対称に出やすいのもリウマチの特徴です。

症状の出方の違いをまとめると、以下のようになります。

痛風 リウマチ
突然の激痛、赤く腫れる、熱を持つ 朝のこわばり、じわじわとした痛み、腫れ、左右対称に出やすい

痛風とリウマチの検査方法の違い

痛風の診断では、まず血液検査で尿酸値を確認します。痛風発作が起きている時には、尿酸値が正常な場合もあるため、過去の症状や関節液の検査(溜まった関節液の中に尿酸塩結晶が見つかるか調べる)も重要になります。また、レントゲン検査で痛風結節(尿酸塩結晶が皮膚の下に溜まってできたこぶ)が見つかることもあります。

リウマチの診断では、血液検査が中心となります。リウマチ因子(RF)や抗CCP抗体といった、リウマチに特徴的な物質が血液中に存在するかを調べます。これらの値が高いと、関節リウマチの可能性が高まります。さらに、レントゲン検査や関節エコー検査で、関節の炎症や骨の damage(損傷)の程度を確認します。専門医による問診と診察も、診断には欠かせません。

検査方法の主な違いは以下の通りです。

  • 痛風: 尿酸値、関節液検査、痛風結節の有無
  • リウマチ: リウマチ因子、抗CCP抗体、関節の炎症や損傷の程度(レントゲン、エコー)

痛風とリウマチの治療方針の違い

痛風の治療は、まず痛風発作を抑えるための薬物療法が中心となります。発作が起きたら、痛みや炎症を鎮める薬を使います。そして、再発を防ぐために、尿酸値を下げる薬を継続して服用することが重要です。食事療法や運動療法といった生活習慣の改善も、痛風治療には欠かせません。

関節リウマチの治療は、病気の進行を抑え、関節の機能障害を防ぐことが目的となります。そのため、早期に病気の活動性を抑えるための薬物療法が重要です。近年では、生物学的製剤やJAK阻害薬といった、より効果の高い治療薬も登場しています。薬物療法と並行して、リハビリテーションによる関節機能の維持・改善も行われます。

治療方針のポイントをまとめます。

  1. 痛風: 発作時の鎮痛・消炎、尿酸値のコントロール、生活習慣改善
  2. リウマチ: 病気の進行抑制、関節機能の維持・改善、早期からの積極的な薬物療法

痛風とリウマチ、見分けがつかない時は?

「どちらの病気かわからない…」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。痛風とリウマチは、どちらも関節に痛みや腫れを引き起こすため、症状だけで判断するのは難しい場合があります。特に、初期の段階では似ていることもあります。

このような場合は、自己判断せずに、必ず専門医(整形外科医やリウマチ専門医)を受診することが大切です。医師は、詳しい問診、視診・触診、そして前述したような各種検査を行い、正確な診断を下します。早期に正確な診断を受けることで、適切な治療を開始し、症状の悪化を防ぐことができます。

受診する際のポイントは以下の通りです。

  • いつから、どこが、どのように痛むのかを具体的に伝える
  • 過去に同じような症状があったか、持病はあるかなどを伝える
  • 不安なことは遠慮なく医師に質問する

痛風とリウマチは、原因や治療法が全く異なる病気です。しかし、どちらも適切な治療と自己管理によって、症状をコントロールし、快適な生活を送ることが可能です。今回ご紹介した「痛風 と リウマチ の 違い」を参考に、ご自身の体の声に耳を傾け、必要であれば専門医に相談してみてくださいね。

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