C言語とC++言語、どちらもプログラミングの世界ではよく耳にする名前ですが、一体何が違うのでしょうか? 今回は、この「C と C++ の 違い」について、初心者の方にもわかりやすく、そして少し踏み込んだ内容まで、一緒に学んでいきましょう!

C と C++ の 違い:基本となる考え方

C言語とC++言語の最も根本的な「C と C++ の 違い」は、その設計思想にあります。C言語は、シンプルで効率的な手続き型プログラミング言語として設計されました。ハードウェアに近い操作が可能で、OSや組み込みシステムなど、性能が最重要視される分野で活躍しています。一方、C++言語は、C言語の強力な機能をすべて引き継ぎつつ、オブジェクト指向プログラミングという考え方を導入した言語です。これにより、より複雑なプログラムを、より整理された形で開発できるようになりました。

この「C と C++ の 違い」を理解するためには、以下の点を比較すると分かりやすいでしょう。

  • C言語: 手続き(関数)を中心にプログラムを組み立てる。
  • C++言語: データとそれを操作する手続き(メソッド)をまとめた「オブジェクト」を中心にプログラムを組み立てる。

このオブジェクト指向という考え方は、大規模なソフトウェア開発において、コードの再利用性や保守性を劇的に向上させる上で非常に重要です。

データ型と変数:C と C++ の 違い

C言語とC++言語では、基本的なデータ型(整数、浮動小数点数など)は似ていますが、C++ではいくつかの新しいデータ型が追加されたり、既存の型に新しい機能が追加されたりしています。しかし、これは「C と C++ の 違い」の表面的な部分と言えるでしょう。

例えば、C++では bool 型という真偽値(true/false)を扱うための専用の型があります。C言語でも真偽値を表現することは可能ですが、整数型(0をfalse、それ以外をtrue)で代用することが一般的でした。

データ型 C言語での主な扱い C++言語での主な扱い
真偽値 int (0: false, 非0: true) bool (true, false)

また、C++では変数を宣言する際に、より厳格な型チェックが行われるようになっています。これは、予期せぬエラーを防ぐのに役立ちます。

関数:C と C++ の 違い

C言語における関数は、独立した処理のまとまりです。一方、C++言語では、関数はクラスのメンバーとして定義されることもあります。これが「C と C++ の 違い」として、プログラムの構造に大きく影響します。

C++では、関数の「オーバーロード」という機能が使えます。これは、同じ名前の関数を複数定義できる機能で、引数の型や数によって呼び出される関数が変わります。例えば、整数を足す関数と小数を足す関数で、名前を同じにすることができます。

  1. 整数同士を足す関数
  2. 小数同士を足す関数
  3. 整数と小数を足す関数

これらをすべて同じ名前(例えば add )で定義できるのが、C++の関数のオーバーロードです。

C言語では、このように同じ名前の関数を複数定義することはできません。もし同じ名前で定義しようとすると、コンパイルエラーになります。

クラスとオブジェクト:C と C++ の 決定的な違い

ここで、C言語とC++言語の「C と C++ の 違い」の中でも、最も重要で、かつ決定的な違いである「クラスとオブジェクト」について掘り下げてみましょう。C++言語は、このクラスとオブジェクトを扱うための機能が充実しています。

クラスとは、データ(属性)とそのデータを操作する関数(メソッド)を一つにまとめた「設計図」のようなものです。そして、その設計図から実際に作られたものが「オブジェクト」です。例えるなら、クッキーの型がクラス、その型で作られたクッキーがオブジェクトです。

  • クラス: データとメソッドの定義(設計図)
  • オブジェクト: クラスから生成された実体(インスタンス)

C言語では、構造体( struct )を使ってデータをまとめることはできましたが、その構造体の中に直接関数を定義して、データと手続きを一体化させることはできませんでした。C++のクラスは、この構造体の概念を拡張し、さらに「カプセル化」「継承」「ポリモーフィズム」といったオブジェクト指向の重要な概念を実現しています。

メモリ管理:C と C++ の 違い

メモリ管理は、プログラミングにおいて非常に重要な要素であり、「C と C++ の 違い」を語る上で避けては通れません。C言語では、 malloc() free() といった関数を使って、プログラムが自分でメモリを確保し、解放する必要があります。

C++言語では、C言語のメモリ管理関数も引き続き使用できますが、それに加えて new 演算子と delete 演算子という、より安全で便利な方法が提供されています。 new はメモリを確保し、同時にオブジェクトのコンストラクタ(オブジェクトが作られるときに自動的に実行される特別な関数)を呼び出します。 delete はメモリを解放すると同時に、オブジェクトのデストラクタ(オブジェクトが消されるときに自動的に実行される特別な関数)を呼び出します。

この「C と C++ の 違い」によるメモリ管理の進化は、メモリリーク(確保したメモリを解放し忘れること)といったバグを防ぎ、プログラムの安定性を高めるのに貢献しています。

標準ライブラリ:C と C++ の 違い

C言語とC++言語は、それぞれが提供する標準ライブラリにも「C と C++ の 違い」が見られます。C言語の標準ライブラリは、基本的な入出力、文字列操作、数学関数などに焦点を当てています。

一方、C++言語の標準ライブラリは、C言語のライブラリを包含しつつ、さらに強力な機能を持っています。特に注目すべきは、STL(Standard Template Library)です。STLには、 vector (動的にサイズが変わる配列)、 map (キーと値のペアを管理)、 algorithm (ソートや検索などの便利な関数群)といった、非常に使い勝手の良いコンテナやアルゴリズムが豊富に用意されています。

機能 C言語の標準ライブラリ C++言語の標準ライブラリ
コンテナ 限定的(配列など) 豊富(vector, list, mapなど)
アルゴリズム 基本的なもの 高度で汎用的なもの(sort, findなど)

この「C と C++ の 違い」は、C++で開発を行う際に、より効率的で洗練されたコードを書きやすくなることを意味します。

例外処理:C と C++ の 違い

プログラムが予期せぬエラーに遭遇した際に、それをどのように処理するかは「C と C++ の 違い」における重要なポイントです。C言語では、エラーが発生した場合、関数が特定の値を返す(例えば、エラーコードを返す)ことで、呼び出し元にエラーを通知するのが一般的です。

C++言語には、「例外処理」という仕組みがあります。これは、エラーが発生したときに throw キーワードで例外を投げ、それを try-catch ブロックで受け止めて処理するというものです。この仕組みにより、エラー処理をコードの流れと分離して記述できるため、プログラムの見通しが良くなり、エラーハンドリングが容易になります。

例えば、ファイルを開く処理でファイルが見つからなかった場合、C言語では NULL ポインタを返すかもしれませんが、C++では FileNotFoundException のような例外を投げて、それを catch ブロックで捕捉して適切なメッセージを表示する、といったことが行えます。

まとめ

ここまで、「C と C++ の 違い」について、基本から応用まで見てきました。C言語がシンプルでパワフルな手続き型言語であるのに対し、C++言語はC言語の利点を活かしつつ、オブジェクト指向という強力なパラダイムを取り入れた、より高機能で柔軟な言語であることがお分かりいただけたかと思います。どちらの言語も、それぞれの得意分野で活躍しており、プログラミングの世界において非常に重要な役割を担っています。

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