パソコンを買ったり、OS(オペレーティングシステム)を新しくしたりする際に、「DSP版」や「OEM版」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。 DSP版とOEM版の違い は、実は私たちのパソコン選びや使い勝手に大きく関わってくる大切なポイントなのです。一体、この二つはどう違うのでしょうか?この記事では、そんな疑問を分かりやすく解説していきます。

DSP版とOEM版、何が違うの? – 基本を理解しよう

まずは、DSP版とOEM版の基本的な違いを掴みましょう。簡単に言うと、DSP版は単体で購入できるOSで、自分でパソコンにインストールするタイプ。一方、OEM版はパソコン本体に最初から付属しているOSで、そのパソコン専用にライセンスされているものです。 DSP版とOEM版の違い を理解することは、自分に合ったOS選びの第一歩となります。

  • DSP版:自分で購入し、好きなパソコンにインストールできる。
  • OEM版:パソコン購入時に付属しており、そのパソコン以外では使えない。

このように、購入方法やライセンスの自由度が大きく異なります。どちらを選ぶかで、将来的なパソコンのアップグレードやパーツ交換の際の制約も変わってきます。

もう少し詳しく見てみましょう。

  1. DSP版のメリット・デメリット
    • メリット:
      • 価格が比較的安い場合がある。
      • 自分の好きなタイミングで、好きなパーツ構成のパソコンにインストールできる。
      • パーツとセットでの購入になるため、OS単体購入よりもお得な場合も。
    • デメリット:
      • OS単体での販売ではなく、何らかのPCパーツ(メモリやHDDなど)とセットで購入する必要がある。
      • ライセンスは、最初にインストールしたPCに紐づくため、マザーボードなど主要パーツを交換すると再認証が必要になる場合がある。
  2. OEM版のメリット・デメリット
    • メリット:
      • パソコン購入時に最初からインストールされているため、手間がかからない。
      • プリインストールされているため、OSのセットアップやドライバのインストールが完了している。
    • デメリット:
      • OS単体での販売ではないため、OSだけを別途購入することはできない。
      • ライセンスはそのパソコンに紐づくため、別のパソコンに移植することはできない。
      • BTOパソコンなどで、OSの種類を選べない場合がある。

DSP版の購入方法と注意点

DSP版のOSは、家電量販店やオンラインショップで、メモリやハードディスクといったパソコンのパーツとセットで購入するのが一般的です。 DSP版とOEM版の違い を理解する上で、この購入方法が重要になってきます。自分でパソコンを組み立てる自作PCユーザーにとっては、DSP版は非常に身近な存在と言えるでしょう。

購入方法 特徴
PCパーツとのセット購入 OS単体ではなく、PCパーツと一緒に購入する必要がある。
オンラインショップ 手軽に購入できるが、実物を確認できない。

注意点としては、DSP版は「DSP(Delivery Service Partner)」という、PCパーツメーカーなどにOSを供給する形態であるため、OS単体での販売ではないという点です。そのため、必ず何らかのPCパーツとセットでの購入が義務付けられています。

また、DSP版はライセンスが基本的に購入したPCに紐づきます。これは、マザーボードなどの主要なパーツを交換すると、OSのライセンスが無効になってしまう可能性があるということです。そのため、将来的なパーツ交換を頻繁に考えている場合は、慎重に検討する必要があります。

OEM版のライセンスについて

OEM版のOSは、パソコンメーカーが自社製品にプリインストールするために、Microsoftからライセンスを取得したものです。 DSP版とOEM版の違い の中でも、このライセンスの縛りは特に大きなポイントと言えるでしょう。

OEM版のライセンスは、そのパソコンのハードウェアに紐づいています。つまり、そのパソコンを譲渡したり売却したりすることはできても、OSだけを別のパソコンに移して使うことはライセンス上認められていません。これは、パソコンメーカーがOSとハードウェアをセットで販売するというビジネスモデルに基づいています。

具体的には、以下のような特徴があります。

  • パソコン購入時にのみ有効なライセンス。
  • OSの再インストールは可能だが、同じPCでのみ。
  • 他のPCへの譲渡や移行は原則不可。

BTO(Build to Order)パソコンなどで、「Windows Home」や「Windows Pro」といった選択肢がある場合、それもOEM版として提供されていることがほとんどです。この場合、OSのバージョンアップやダウングレードは可能ですが、PC本体の交換を伴うような大きな変更は、ライセンスに影響を与える可能性があります。

DSP版とOEM版の価格の違い

一般的に、 DSP版とOEM版の違い において、価格面も気になるポイントです。多くの場合、DSP版の方がOEM版よりも安価に手に入れることができます。

これは、DSP版が「PCパーツとのセット購入」という条件があるため、OS単体で販売されるリテール版(通常版)よりも安く提供されているためです。一方、OEM版はパソコン本体に付属する形なので、OS単体の価格として直接比較することは難しいですが、パソコン全体の価格に含まれていると考えて良いでしょう。

例えば、自分でパーツを選んでパソコンを組む場合、DSP版のOSを購入し、自分でインストールする方が、完成品のBTOパソコンにプリインストールされているOEM版よりも安く済む場合があります。

DSP版とOEM版のサポート体制

DSP版とOEM版の違い は、サポート体制にも影響します。DSP版の場合、OSに関するサポートは、基本的にOSを購入した販売店や、OSのサポート窓口に問い合わせることになります。Microsoftの直接サポートが受けられる場合もありますが、購入したパーツとセットになっているため、どちらに問い合わせるべきか迷うこともあります。

  • DSP版:購入した販売店、またはOSのメーカーサポート。
  • OEM版:パソコンメーカーのサポート窓口。

一方、OEM版はパソコン本体に付属しているため、OSに関する問題も、パソコン本体のサポート窓口にまとめて問い合わせることができます。これは、パソコンに詳しくない方にとっては、安心できるポイントと言えるでしょう。

DSP版とOEM版のOSアップグレードについて

OSのアップグレード、例えばWindows 10からWindows 11への移行など、 DSP版とOEM版の違い によって、その手順や条件が変わってくることがあります。

DSP版の場合、アップグレードは比較的自由に行えることが多いですが、前述したように、マザーボードなどの主要パーツを交換した場合は、ライセンスの再認証が必要になることがあります。この点、Windows 11へのアップグレード要件などを満たしているかどうかも確認が必要です。

OEM版の場合は、パソコンメーカーが提供するアップグレードプログラムなどを利用することになります。多くの場合、ハードウェアの互換性が保証されているため、スムーズにアップグレードできる可能性が高いですが、メーカーのサポート期間や対象機種によっては、アップグレードできない場合もあります。

具体的には、以下の表のような違いが考えられます。

OSアップグレード DSP版 OEM版
自由度 比較的高い(パーツ交換時の注意あり) メーカーの提供プログラムに依存
ライセンス認証 パーツ交換で再認証が必要な場合あり 通常は不要(PC本体に紐づくため)
メーカーサポート 限定的(購入店やOSメーカー) 包括的(PCメーカー)

まとめ:あなたに合うのはどちら?

ここまで、 DSP版とOEM版の違い について詳しく見てきました。どちらの版を選ぶかは、あなたのパソコンの使い方や、将来的な計画によって変わってきます。自分でパソコンを組み立てたい、安くOSを手に入れたいという方はDSP版、パソコンに詳しくないので手軽に始めたい、メーカーのサポートを重視したいという方はOEM版がおすすめです。

この記事が、あなたのパソコン選びの参考になれば幸いです。

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