「can」と「be able to」、どちらも「〜できる」という意味で使われるから、迷っちゃいますよね。でも、この二つの表現には、実はしっかりとした違いがあります。この違いを理解することが、より自然で正確な英語を話すための第一歩!この記事では、「can と be able to の 違い」を、わかりやすく、そして面白く解説していきます。
「can」と「be able to」の基本的な違い:能力と状況
「can」は、生まれ持った能力や、特別な訓練なしでできることを表す時に使われることが多いです。例えば、音楽の才能があるとか、体が丈夫でどんなスポーツでもこなせる、といったような、その人自身の持っているポテンシャルを表すのに適しています。「can」は、その人の「潜在的な力」を表現するのにぴったりな表現と言えるでしょう。 この「生まれ持った能力」か「状況によってできること」かの区別が、「can」と「be able to」の最も基本的な違いです。
- can の例:
- I can speak English. (私は英語を話せます。) - これは、学習によって習得した能力でもありますが、一般的に「できる」という状態を表すのに「can」がよく使われます。
- She can play the piano very well. (彼女はピアノをとても上手に弾けます。) - 音楽の才能や練習による技術を表します。
一方、「be able to」は、特定の状況や努力によって、できるようになったことを表す場合に使われます。例えば、病気だったけれど、治療によって歩けるようになった、とか、難しい試験に合格するために一生懸命勉強して、ようやく解けるようになった、といった状況です。こちらは、「苦労や状況の変化の結果として得られた、一時的または特定の状況下での能力」を強調したい時に便利です。
| 表現 | ニュアンス | 例文 |
|---|---|---|
| can | 生まれ持った能力、普遍的な能力 | He can swim. (彼は泳げます。) |
| be able to | 状況による能力、努力の結果 | He will be able to swim soon. (彼はもうすぐ泳げるようになるでしょう。) |
このように、「can」はより汎用的、「be able to」はより具体的・状況的と考えると、理解しやすいかもしれません。
時制による使い分け:過去形と未来形での「can」の限界
「can」の過去形は「could」ですが、この「could」は「〜できた」という意味の他に、「〜できただろうに(残念)」といった仮定法や、丁寧な依頼を表す場合にも使われます。そのため、単純に「過去に〜できた」という事実を伝えたい時には、「be able to」の過去形である「was/were able to」を使う方が、より明確に伝わることがあります。
例えば、「昨日、傘を忘れたけど、なんとか大学に間に合ったんだ」と言いたい場合、"I could make it to university yesterday." と言うと、少し不自然に聞こえることがあります。「can」の過去形「could」は、能力そのものよりも、可能性や依頼で使われることが多いからです。
- 「昨日、なんとか大学に間に合った」を強調したい場合:
- I was able to make it to university yesterday, even though I forgot my umbrella. (傘を忘れたにもかかわらず、昨日大学に間に合うことができました。)
- 「昔はできたけど、今はできない」という能力の喪失を表したい場合:
- When I was young, I could run very fast. (若い頃は、とても速く走れました。)
- But now, I am not able to run fast anymore. (でも今は、もう速く走れません。)
未来形になると、「can」には未来形がないため、未来の「〜できる」を表すには「will be able to」を使うしかありません。この点も、「can」と「be able to」の使い分けを考える上で重要なポイントです。
否定形でのニュアンスの違い:「できない」の度合い
「can」の否定形は「cannot」または「can't」です。これは、純粋に「〜できない」という能力がないことを示します。「be able to」の否定形は「cannot be able to」とはならず、通常は「am/is/are not able to」となります。
例えば、「私は車を運転できません」と言いたい場合、"I cannot drive a car." と言うのが一般的です。これは、運転技術がない、あるいは運転免許を持っていない、といった能力的な側面を指します。
- 能力がないことを示す場合:
- I cannot swim. (私は泳げません。)
- He can't understand this problem. (彼はこの問題を理解できません。)
一方、「be able to」の否定形は、特定の状況下で「〜できない」というニュアンスが強くなることがあります。例えば、"I am not able to go to the party because I have to study." (勉強しなければならないので、パーティーに行くことができません)のように、理由があって「できない」ことを示唆します。この「理由」が明確でない場合、「can't」の方がよりシンプルに「できない」と伝えられます。
依頼や許可の表現:丁寧さのレベル
「can」は、友人など親しい間柄で、気軽に「〜してくれますか?」と依頼したり、「〜してもいいですか?」と許可を求めたりする際に使われます。砕けた表現と言えるでしょう。
例えば、「このドアを開けてくれる?」と友達に頼むなら、"Can you open this door for me?" と言います。また、「ここでタバコ吸ってもいい?」と聞くなら、"Can I smoke here?" となります。これらは、日常会話でよく耳にする表現です。
- 親しい人への依頼・許可:
- Can you help me with this? (これを手伝ってくれますか?)
- Can I borrow your pen? (あなたのペンを借りてもいいですか?)
これに対し、「be able to」は、依頼や許可の表現としてはあまり一般的ではありません。「be able to」は能力を表すことに重点があるため、相手に何かを「できるかどうか」を尋ねる場面では使われますが、直接的な依頼や許可を求める際には「can」の方が自然です。
仮定法での使い分け:「もし〜できたら」の世界
仮定法、「もし〜だったら、〜だろうに」という表現では、「can」の代わりに「could」が使われます。そして、「be able to」は、仮定法でも「could be able to」という形をとります。
例えば、「もしもっと時間があったら、この本を読み終えることができたのに」と言いたい場合、"If I had more time, I could finish this book." となります。ここで "If I had more time, I would be able to finish this book." と言うことも可能ですが、「could」の方がより一般的な仮定法の形です。
| 仮定法 | 表現 | 例文 |
|---|---|---|
| If I had more time... | could | I could finish this book. (この本を読み終えることができたのに。) |
| If I had more time... | could be able to | I could be able to finish this book. (この本を読み終えることができたはずだ。) |
「could」は「〜できた(可能性)」、「could be able to」は「〜できるようになる(可能性)」といったニュアンスの違いがあることも覚えておくと良いでしょう。
フォーマルな場面での使い分け:かしこまった表現
フォーマルな場面、例えばビジネスのメールや公的なスピーチなどでは、「be able to」を使う方がより丁寧でかしこまった印象を与えます。「can」は少しくだけた響きがあるため、改まった場面では避ける傾向があります。
例えば、会議で「この件について、皆様にご意見を伺うことができます。」と伝えたい場合、"I can ask for your opinions on this matter." よりも、"I will be able to ask for your opinions on this matter." または "We are able to discuss this matter." のように、「be able to」を使う方が、より丁寧でプロフェッショナルな印象になります。
- フォーマルな場面での例:
- We are pleased to announce that we will be able to provide this service soon. (この度、まもなくこのサービスを提供できるようになりましたことをお知らせいたします。)
- This system is able to process a large amount of data efficiently. (このシステムは、大量のデータを効率的に処理することができます。)
このように、相手や状況に合わせて、より適切な表現を選ぶことが大切です。
「can」と「be able to」の違い、いかがでしたか?「can」は生まれ持った能力や普遍的な「できる」、一方「be able to」は状況による「できる」や努力の結果を表す、という基本を押さえておけば、迷うことは少なくなるはずです。それぞれのニュアンスを意識して、英語の表現の幅を広げていきましょう!