「真菌」と「白癬菌」、この二つの言葉を聞いて、違いはなんだろう?と思ったことはありませんか?実は、この二つは密接に関連していますが、全く同じものではありません。 真菌 と 白癬 菌 の 違い を理解することは、皮膚の健康を守る上でとても大切なのです。

「真菌」という大きなグループと「白癬菌」という仲間たち

まず、基本からおさらいしましょう。「真菌」とは、カビやキノコなどを含む、生物の大きなグループの名前です。私たちの身の回りには、パンを膨らませる酵母菌や、おいしいチーズを作るためのカビなど、私たちの生活に役立つ真菌もたくさんいます。しかし、中には皮膚に感染して病気を引き起こす、いわゆる「病原性真菌」も存在します。この病原性真菌の一種が、今回焦点を当てる「白癬菌」なのです。

つまり、「真菌」は広い世界、そして「白癬菌」はその世界に住む、特定の「仲間」という関係性だと考えると分かりやすいでしょう。真菌という大きな傘の中に、白癬菌という特定の菌がいる、というイメージです。

  • 真菌(しんきん) :カビやキノコなど、生物の大きなグループ
  • 白癬菌(はくせんきん) :皮膚に感染して水虫などを引き起こす、真菌の一種

この違いを理解することが、正しく原因を特定し、適切な対処をするための第一歩となります。

白癬菌が引き起こす病気:水虫だけじゃない!

白癬菌が原因で起こる病気というと、まず「水虫(足白癬)」を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、白癬菌は足だけでなく、体の他の部分にも感染することがあります。

感染部位 病気の名前
足白癬(水虫)
股部白癬(いんきんたむし)
頭部白癬(しらくも)
体(手足や体幹) 体部白癬(たむし)

これらの病気は、いずれも白癬菌という同じ仲間が原因で起こります。症状の現れ方や、どの部分に感染しているかで、病気の名前が変わってくるのです。

感染経路:どうやって白癬菌に感染するの?

白癬菌は、私たちの体から剥がれ落ちた皮膚の角質(垢)などに付着して、どこでも生きていくことができます。そのため、感染経路は様々です。

  1. 直接接触 :感染している人と直接触れ合うことで感染します。
  2. 間接接触 :感染している人が使ったタオルやスリッパ、床などを共有することで感染します。
  3. 環境からの感染 :銭湯やプールの床など、湿った場所でも白癬菌は生き延びているため、そのような場所を素足で歩くことで感染することがあります。

特に、蒸れた環境は白癬菌にとって格好の繁殖場所なので、注意が必要です。

白癬菌の症状:かゆみだけじゃない!

白癬菌による感染の代表的な症状は「かゆみ」ですが、それだけではありません。

  • 皮むけ :特に足の指の間などで、皮膚がむけてくることがあります。
  • 赤み :感染した部分が赤くなることがあります。
  • 水ぶくれ :ひどくなると、小さな水ぶくれができることもあります。
  • ひび割れ :皮膚が乾燥して、ひび割れてしまうこともあります。

これらの症状は、感染した部位や個人によって異なり、必ずしも全て現れるわけではありません。かゆみがなくても、白癬菌が潜んでいる可能性もあります。

治療法:正しく治すことが大切

白癬菌による感染は、自己判断で対処せず、医療機関を受診することが大切です。医師の診断のもと、適切な薬を使った治療が行われます。

治療法 説明
外用薬(塗り薬) 感染した部分に直接塗る薬で、白癬菌を殺菌・抑制します。
内服薬(飲み薬) 症状が広範囲に及ぶ場合や、外用薬で効果が見られない場合に処方されます。

治療を途中でやめると、菌が完全にいなくならずに再発する可能性が高いため、医師の指示通りに最後まで治療を続けることが非常に重要です。

予防策:日頃からできること

白癬菌から身を守るために、日頃からできる予防策をいくつかご紹介します。

  • 清潔を保つ :石鹸で丁寧に洗い、しっかりと乾かす習慣をつけましょう。
  • 通気性の良い靴・靴下を選ぶ :足が蒸れないように、素材や履き方にも気を配りましょう。
  • 乾燥を心がける :お風呂上がりや、靴を脱いだ後などは、足の指の間などをしっかり乾かしましょう。
  • 共用を避ける :タオルの貸し借りなどは、できるだけ避けましょう。

これらの簡単な対策を続けることで、感染のリスクを減らすことができます。

「真菌」と「白癬菌」の違い、そして白癬菌による感染について、少しでも理解が深まったでしょうか?これらの知識は、自分の体や家族の健康を守るために役立ちます。もし皮膚に気になる症状があれば、一人で悩まず、専門家である医師に相談してみてくださいね。

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